踊る身体をつくるヨガ vol.1
【前・後・上・下・左・右——6方向+ねじり に身体は動く】
ヨガのアーサナは、前・後・上・下・左・右の6方向、そしてねじり(回旋)を加えた
動きで身体を使います。たとえば戦士のポーズ2(ヴィーラバドラーサナII)は、
一つのポーズの中で6方向すべてが体現される代表的なアーサナです。
この考え方はベリーダンスにも共通しています。
前後・上下・左右への意識があることで、身体に立体感が生まれます。
さらに、そこへ回旋(ねじり)が加わることで、ベリーダンス特有のしなやかな動きが生まれます。
この6方向+ねじりの感覚は、ヨガでもダンスでも大切な土台になります。
ヨガとダンスは異なるものですが、身体の使い方には多くの共通点があります。
この6方向+ねじりの動きを意識しながら身体を整えていくこと——
それがこのシリーズ全体のテーマです。vol.1からvol.6まで、すべてこの軸でつながっています。
「なんか動きが悪い」「姿勢が気になる」「身体が思うように動かない」
そう感じたことはありませんか?
その原因、実はバラバラではありません。
足の指から首まで、身体は一本の連鎖でつながっています。
ベリーダンスのムーブメントやポーズは、この連鎖に深く関係しています。
踊りを始めたばかりの方にも、長く踊っている方にも、関係のある話です。
1. 土台は足の指——裸足で踊るということ
ベリーダンスは裸足で踊ります。
つま先立ち、かかと重心、軸足でのバランス——これらはすべて、足裏の使い方から始まります。
現代の生活では、靴を履いていることがほとんどです。
足の指を広げる習慣がないと、指が使えないまま踊ることになります。
指の他に土踏まずは使えていますか?
土踏まずのアーチは、足裏の筋肉だけでなく、ふくらはぎ・膝・股関節・体幹の
インナーマッスルとつながっています。
土踏まずが上手く使えないと、身体全体のバランスにも影響が出やすくなります。
ヨガのダウンドッグや戦士のポーズは、足裏全体で地面をとらえる練習です。
裸足で踊るための土台づくりとして、役立つアーサナです。
ベリーダンスのレッスンで、足のラインの見せ方や歩き方、ポーズの作り方について
繰り返しお伝えしています。
土踏まずを使いましょうは年中。
足裏先生と言われそうなくらいですが、踏みこみ方、伸び上がり方など、大切な土台づくりの基礎になります。
ヨガクラスで足の指1本1本、足裏の体重の掛け方、移動の仕方をじっくり観察、
感触、変化を味わうことができます。
土踏まずのアーチの作り方も段階を踏んでお伝えしています。
2. ふくらはぎ・ハムストリング——背面の硬さが姿勢を崩す
ふくらはぎとハムストリング(もも裏)は、背面のライン全体の柔軟性に直結しています。
ここが硬いと——
・かかとが床につきにくい
・膝が伸びない
・骨盤が後ろに引っ張られ、姿勢が崩れる
ベリーダンスでは、シミーはかかとを床につけたまま膝を前後に交互に動かす動きが基本です。
ふくらはぎが硬く、かかとが床から浮きやすい状態では、シミーが安定しません。
「シミーがうまくできない」という方は、足裏・ふくらはぎの柔軟性を見直すところから
始めると変わることがあります。
3. 股関節——ほぐすこと
ベリーダンスの動きは、股関節が中心です。
上下・左右・ツイスト・八の字・サークル——すべての動きで股関節が動きます。
股関節が硬いと、可動域が狭いまま動こうとして、腰や膝で代償してしまいます。
動きが小さく見えたり、どこかぎこちなく見えたりするのは、
股関節の硬さが原因であることが多いです。
座り仕事や同じ姿勢が続く方は、ほぼ例外なく股関節が固まっています。
ヨガでじっくりほぐすことが、踊りの可動域を広げる一番の近道です。
レッスンで見ていると、「股関節が硬い」と思っている方の多くは、
実際には股関節だけの問題ではありません。お尻や太もも、腰まわりに
が入り続けていることで、本来動くはずの股関節が使えていないこともあります。
ヨガでは無理に開こうとするのではなく、どこで力んでいるのかを探しながら
少しずつ可動域を広げていきます。
4. 猫背・反り腰・ストレートネック——連鎖の正体
股関節の動きが制限されると、骨盤のバランスや姿勢にも影響が出やすくなります。
反り腰は「下腹が出る」「腰が痛い」につながります。
猫背は胸椎(背骨の胸の部分)を潰し、呼吸が浅くなります。
ストレートネックは肩こり・頭痛だけでなく、首の動きを制限します。
踊りにも大きく影響します。
姿勢は衣装の着こなしにも出ます。
ボディラインは姿勢で整えることもできます。
胸椎が伸び、骨盤が整うだけで、同じ体型でも見え方が変わります。
ベリーダンスを始めたばかりの方からよく聞くのが、
「胸が上がらない」
「突っ張って動いてしまう」
「鏡を見ると姿勢が気になる」
という悩みです。
実際のレッスンでも、振付そのものより先に姿勢が変わる方は少なくありません。
身体が整うと、踊りの見え方も自然と変わっていきます。
5. 肩甲骨と腕——柔らかいアームはここから
ベリーダンスの腕の動きは、肩甲骨の可動性と肩関節・腕の筋肉のバランスで決まります。
猫背や胸椎の硬さがあると、肩甲骨が背中に張り付いたように固まります。
この状態で腕を動かすと、微調整がしにくくなり、肘で支えるような動きになってしまいます。
柔らかく流れるアームは、肩甲骨が自由に動いてこそ。
ヨガで肩まわりをほぐし、胸椎の伸展を取り戻すことで、腕の動きは変わります。
【腕やひじ、手首が硬い】
というのはレッスンで多くの方に見受けられます。
ですが、腕そのものよりも肩甲骨や胸椎の動きが制限されているケースがほとんどです。
肩まわりが自由になると、同じ振付でも腕の軌道が滑らかになり、
力みのないアームへと変わっていきます。呼吸を忘れていて固めている。
支え方が分からずに、肩で力んでいる場合もあります。
6. なぜヨガが必要なのか——音のない時間で身体を知る
ベリーダンスのレッスンは音楽に合わせて動きます。
音があると、身体は無意識に音に引っ張られます。
自分の動きの癖や、どこが硬いか、どこで代償しているか——音の中では気づきにくい。
ヨガは音楽なしで、静かに自分の身体と向き合う時間です。
緩めるのか、締めるのか。
正しい位置に「戻す」のだけではなく、自分の正しい位置を「探す」。
身体の癖を知り、良いところはさらに伸ばし、引っかかるところは丁寧にほどく。
その観察と研究が、踊りを変えます。
音あり、音なし。両方の観察があって、初めて身体は整っていきます。
例えば
実際に続けている生徒さんからは、
「プレパレーションなど準備しやすくなった」
「ターンでふらつきにくくなった」
「踊りの細かい動きに、意識が向けられるようになった」
「姿勢を褒められるようになった」
という声をいただきます。
派手な変化ではありません。
けれど、そうした小さな積み重ねが、長く踊り続けられる身体をつくっていきます。
次回 vol.2では、横隔膜・お腹・胸椎の使い方と、
ベリーダンスに直結するヨガの動きについてお伝えします。
ShuShu Bellydance Studioのヨガクラスでは、踊るための身体づくりを
丁寧に行なっています。
身体の使い方を見直したい方はぜひ体験レッスンへお越しください。





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